「シリコンバレーのエコーチャンバー(噂増幅機)のレーダーに映るものの中に、革新的あるいは真の人間的欲求を解決するものは何一つない。病気を治すことも、子供を養うことも、環境を改善することも、製造効率を画期的に改善することもない・・・。
Pinterst? Quora?他にもソーシャルアプリはある。どれもみな大いなる気晴らしでありエンターテイメントだ・・・
これらの道を追求することは、お金を稼ぐためには結構なことだ。しかし、そこで何か革新的なことが起きていると思い込むふりをしてはいけない。今から50年後の誰かが、今われわれがアインシュタインやダーウィンやニュートンを振り返るように、振り返って『ありがとう』と言うような革新が。」
以上は、Ray Cromwellが、一週間前のPinterestに関するTechCrunchの記事について書いたコメントの一部だ。実際これは私の琴線に触れた。そして、それは明らかに私だけではなかった。今日のシリコンバレーに意義深いイノベーションが欠如していることに対する悲嘆の声は、 日々、増え続け、ている。PayPalのファウンダー、Peter Thielは、最近Francis Fukuyamaと交した興味深い対談の中で、実際こう問いかけている。「果たしてわれわれは、今も技術的進歩を続ける社会に生きているのだろうか」。
Pinterestはこの種の懐疑論のイメージキャラクターである。デジタル・スクラップブックはどうみても革新的ではないが、今や話題の中心であり、その理由はひとえに、そこに注ぎ込まれる金額と驚異的なトラフィック量だ。
Aaron Levie (@levie)
夜遅く、ひとりでいると、ついついここを見てしまう
siteanalytics.compete.com/pinterest.com/
2012/2/23
〈当然!〉とあなたは言うかもしれない。〈めちゃくちゃ人気があって山ほど資金を調達している。みんなが騒ぐのは当たり前だ。それがこの世界のしくみだろう?〉と。
陳腐な理想家だと呼ばれてもいい、しかしノーだ。私はシリコンバレーをもう少しそれ以上のものだと思いたい。われわれテク業界の人間は、ウォール街やハリウッド見くだしたいのだ。結局〈未来〉を発明するのは〈われわれ〉なのだと! だがもし、金と人気だけがわれわれの成功の基準だったら、われわれに何の違いがあるのだろうか。流れを変え世界を変える本物のイノベーションにもっと関心を払うべきではないのか。そして、どれに当てはまる見込みもないサイトやサービスへの関心は低くていいのではないか。
George Bray(@GeorgeBray)
携帯電話の計算能力は、1969年のNASA全体の計算能力を上回っている。NASAは人を月にぶつけた。われわれは[Angry Birdsで]怒った鳥を豚にぶつけた。
2012/2/23
だから私は、最近のあらゆる批判に関わらず、今でもGoogleが好きだ。彼らの拡張現実ゴーグルや自走式自動車などの型破りのプロジェクトを大好きか大嫌いかはともかく、彼らが世界を変えようとしていない、と文句をつけることはできない。Appleがそうであったように、Facebookが、Twitterがそうであったように。
でもPinterest? 誤解しないでほしい。あれは素晴らしいサービスだし、大きなビジネスへと成長する可能性がある。しかし、真に〈重要な〉何かになるとは私には思えない。
スティーブ・ジョブズが当時ペプシのCEOだったジョン・スカリーにAppleに来るよう説得した言葉は有名だ。「このまま一生砂糖水を売りつづけたいか? それとも世界を変えたいか?」そう、昔は昔。もちろん今でも、大量のオーディエンスを集めて大金を稼ぐ以上のことをやろうとしている人たちはいる。Elon Muskの名前が思い浮かぶ。しかし私には、シリコンバレーが泡だらけの砂糖水の海で、ごく稀に意義深いイノベーションの島があるだけになってしまったという感を拭い去ることができない。
砂糖水を称賛するのはやめよう